伊師君 (博士課程3年) の地球周辺の電荷交換X線発光の予測モデル構築に関する論文が PASJ に掲載されました。太陽風中の酸素などの高電離イオンは地球の超高層大気の中性水素原子と衝突し、電荷交換反応に伴うX線発光を生じます。伊師君は「すざく」衛星の全公開データを用いた地球周辺の電荷交換X線発光の系統解析を実施し、汎用的な予測モデルを構築しました。特に明るい発光 5例と比較した結果、平均強度や時間変動を再現することに成功しました。詳細は下記の論文をご覧ください。

PASJ: https://doi.org/10.1093/pasj/psac095
arXiV: https://arxiv.org/abs/2211.03844

なお、海外オンラインプレスリリースサイト EurekAlert! にて本論文の紹介記事を書かせていただきました。一般の方にも分かりやすく平易な英語で記載されております。是非ご覧ください。

EurekAlert! (プレスリリース記事) :
https://www.eurekalert.org/news-releases/958643

「すざく」衛星が観測した地球周辺の電荷交換X線発光とモデル比較例。太陽風変動に伴う数時間スケールの変動だけでなく、視線方向が地球周回中カスプ領域 (地球磁場が宇宙空間に開いており太陽風が地球近傍に最も深く侵入可能な場所) を横切る際に生じる数十分スケールの突発的な変動も再現している。