東京都立大学の博士課程2年早川亮大さんが中心となって参加している産業技術総合研究所(AIST)、JAXA宇宙科学研究所(ISAS/JAXA)、オランダ宇宙科学研究所(SRON) と我々との共同研究である、マイクロ波を用いたTESからの信号多重化読み出し技術に関する論文が、Applied Physiscs Letter (APL) に掲載されました。本実験に用いられた冷凍機システムの立ち上げから都立大学の宇宙実験グループは参加しており、将来のTESを用いた宇宙観測に一歩前進しました。

マイクロ波は多重化読み出し技術は、従来の多重化読み出し技術と異なり高画素数の検出器からの信号を少数の配線で読み出すことができる次世代の多重化読み出し技術で、次世代のX線天文衛星などで利用されることが見込まれており、米国NISTを中心に世界中で開発が進められています。我々のグループでは、この技術を用い、SRON製TESカロリメータアレイ中の38素子の同時読み出しと、9pA/√HZ という世界最高レベルの低ノイズ下で信号取得に成功し、5.9keV のX線に対し、2.79±0.09eV という高エネルギー分解能を達成しました。詳細は、下記をご覧ください。

DOI: https://doi.org/10.1063/5.0016333