先日、横浜市の某所で数学者の方々がお茶を飲みながらその話をしていたときに 「π=3となると何か矛盾が生じるのではないか」と面白半分で考え始めました。 しかし面白い矛盾が思いつかず皆が諦めてお茶の時間を終えようとしたその時、 ある優秀な数学者の方が以下のような矛盾に気がつきました。
「半径1の円を考え、その円を6つに等分してそれぞれの弧を結び右図のようにする。 すると三角形 OABは正三角形であることから辺ABの長さは1となる。ところで円周の 長さは 2πR (Rは円の半径) であるから、R=1、π=3とするとこの円の円周の長さは6 である。孤ABの長さは円周の長さの6分の1であるから、その長さも1となってしまう。 つまり、このことから二点間を結ぶ最短線は直線であるというユークリッド幾何学が 破綻してしまう!」
なるほど。円周率πを3とすると直線 AB と弧 AB の長さが同じになってしまいます。
π=3.14ということを知っている僕達は
「そんなことがある分けがない、π=3としたからこんなことが生じたんだ」
と思うでしょう。しかし初めて円周率πを学ぶ小学生がπ=3であると教えられて、
そのままそれを信じていけば彼らは
「実際は弧 AB と辺 AB の長さは等しく、違う長さに見えるのは目の錯覚なんだ!」
と思うかもしれませんねぇ…。