分解が済んで、キーボードのスイッチの役割をしている接点のあるシートが見えている。
この上にゴムのパッドと、キートップをはめ込むプラスチックのフレームがついて、
キートップ、カバーがさらにかぶさっている。
絵が暗くてわかりにくいが、所どころ液体がしみこんでいて黒く変色している。
コーヒーの色と言うよりは、接点の腐食したものが融け出しているみたいだ。
キー接点部分のシートは、上の接点シート、中間の絶縁シート、下の接点シートから
成っている。
その中間シートと、下シートを撮ったところ。
やはり融け出したものが、シート間に浸透して変色している。
この接点の途中が液体で導通すると意味不明な入力を行なう事になり、
また、接点間が錆びて導通しなくなるとその先のキーが使えなくなる。
まずは、いきなりこれらのシートをお湯で洗ってしまう。
コーヒーの汚れを綺麗にしたのが下の写真。
よくみると、シート上のパターンが所どころ黒く変色している。
多分これは錆びてしまったんだろうと考える。
ちなみに、各シートの上部分に延びているパターンの帯がコネクターに差す部分。
下の写真が中間シート。キー入力がない時に上シートと下シートが接触するのを防いでいる。
キーの部分に穴が空いている。すでに洗ってあるのできれいになっている。
先程の上下シートのキー部分全てで導通があるかをテスターでチェックする。
案の上、シートのパターンに未導通な部分が数10ヶ所見つかる。
その部分のパターンを銀のペーストで書き足してやる。
黒マジックの矢印が切れた所。
ちなみに銀ペーストは特殊な半田みたいなもので、溶剤に溶かした銀の粉末と思われる。
溶剤と銀ペーストのいれもの。
そうそう、なにげにすぐにシートに書き足してしまったけど、シートと溶剤の相性もあるので、端っこでシートが融けないかチェックした方が良かったなあ。
まあ、融けなかったのOKだけど。
全部接点が生きるように銀ペーストでパターンを書き直す。
テスターでチェックしてOK なら組み立て。
写真はすでにフレームにシートを乗せて、さらにゴムパッドまで乗せた所。
このキーボードは全然バネがなくて、
このゴムシートだけでキーのタッチを作り出している。
別に軽すぎもせず、フニャフニャしている訳でもなく、
結構いいキータッチだったりするので意外。
さらにプラスチックのフレームをはめ込んだ所。
爪がおおくて外しにくいし、はめにくい。
最後にとっても汚いキートップ。
もう10年くらい使っているはずなので、まあ当然でしょう。
お湯と洗剤で簡単に汚れが落ちるので、全部洗いました。
きちんと乾かしてからはめ込まないと、
また接点が死んでしまうので気を付けましょう。
で、分解、洗浄、修理した結果、無事に使えるキーボードになっています。
今回はコーヒーだから良かったのだけれど、
ジュースとか酸性が強いものだともっとひどいかもしれない。
あとは綺麗なキーボードの写真がないなあ。こんど追加するかも。