パイルアップの確認
●パイルアップ(pile-up)とは
非常に明るい点源を観測するとき、検出がひとつのイベントを処理する間に次のイベントが起きてしまうことがある。複数のイベントが1つのイベン
トとして処理されてしまうので、実際のエネルギーと異なる値が検出されてしまう。こういった現象のことをPile-Up(蓄積・多重衝突といった
意味)と呼ぶ。
●どうすればよいか?
パイルアップの影響が大きそうなところを除いた領域をとって解析する。以下の確認方法を用いてパイルアップが排除できているか確かめて、ダメな
ようなら領域をとり直す。
例.

中抜き円(ドーナツ状)なので真ん中の領域は取っていない
半径等は天体によって変える
●確認方法
参考:ABC
ガイド(NASA)
端末でsasを起動し
選択した領域の位置・半径を指定してスペクトルを抽出する
hercules:~/analysis/0116900501/PPS% evselect
table=m1_filt_time.fits
energycolumn='PI' withfilteredset=yes filteredset='m1_filtered_20-40.fits'
keepfilteroutput=yes filtertype='expression' expression='((X,Y)
in annulus(27806.956,26442.913,400,800))&&(FLAG==0)'
withspectrumset=yes spectrumset='m1_pi_spec_20-40.fits'
spectralbinsize=15
withspecranges=yes specchannelmin=0 specchannelmax=11999
(参考:ス
ペクトル解析の準備)
同様にバックグラウンドのスペクトルも取る
パイルアップチェック
hercules:~/analysis/0116900501/PPS% epatplot set=m1_filtered_20-40.fits plotfile=m1_epat.ps useplotfile=yes
withbackgroundset=yes backgroundset=m1_bkg_filtered_20-40.fits
を実行
set=m1_filtered_20-40.fits:
スペクトル抽出したイベントファイル
plotfile=m1_epat.ps:出力するファイル名
backgroundset=m1_bkg_filtered_20-40.fits:バックグラウンドファイル(とり方はス
ペクトル解析の準備を参照)
できたファイル(m1_epat.ps)を開いてみると

色はイベント数?反応したピクセル数?どっちだ
pattern
class s:single
d:double t:triple q:quadruple
上の図はカウント数
下の図のデコボコした線はヒストグラム、滑らかな線は予測されるモデル
下の図の2つの線のズレ具合でパイルアップの影響の大きさがわかる
先程の領域はいい取り方だったことがわかる
悪い例など詳しくはABC
ガイドを訳そう!(お前もやれ!)
ちなみにFig 6.5が悪い例